Dybooksはいつまでもみなさまの
心に生き続ける本創りを目指す出版社です。

air dive 有限会社エアーダイブ
トップページ
新着情報
作品紹介
COMICS
漫画「義男の空」情報
島義勇伝
札幌乙女ごはん。
PICTURE BOOKS
サンタクロースとちいさな木
トロとイヴ
ぼくのおとうとは機械の鼻
BUSINESS BOOKS
コーチングのとびら
「図解でなっとく! トラブル知らずのシステム設計
WEB COMICS
WEB漫画「宇佐田さん」
WEB漫画「どーも 中川です。」
北方英雄伝カムイ
本を創ろう!「Dybooksの自費出版」
イラストファイル
漫画広告のメリット
メディア情報
パートナー募集
講演依頼
・ 事業内容
・ 会社概要
・ アクセスマップ
・ お問い合わせ

講演依頼

 
有限会社エアーダイブ
〒064-0808
札幌市中央区南8条西4丁目
422番地5 グランドパークビル3F
■出版エージェント事業部
TEL 011-533-3216
FAX 011-533-3215
■営業部
■クリエイティブ事業部
■ライツ事業部
■編集事業部
TEL 011-533-3217
FAX 011-533-3215
アクセスマップ

明るく、くじけず、誇り高く挑戦し続ける。その生き方が、奇跡を引き寄せた。
エアーダイブ 宏昌さん、秀則さんは、お互いのことをどのように見ていますか?
ヒロ あらためて聞かれると難しいね。普通の兄弟です。

ヒデ 遠慮なんてまったくないし……プロレスごっことかして遊んでたし。頭にシャント入ってるのにね(笑)

漫画「義男の空」 収録対談 第11巻 ヒロ 母に「頭には触っちゃダメ」って言われるんだけど、そんなのオレにしてみれば「いいこと聞いた!」って感じなわけ。で、わざと弱点の頭を狙って攻撃して、めちゃくちゃ怒られたのを覚えてる。ただ、そんなこともしたけど、オレはヒデのこと、めちゃくちゃかわいがってたんだよ。なにせ顔がかわいくてね、「小さい頃」は……。

ヒデ おいおい!(笑)

ヒロ でも、じゃれ合ってるうちにケンカになったりはする。そうなったら本気でやり合ってた。

髙橋 お前たちのケンカ、見たことあるけど壮絶だった。俺でも心配するくらい激しかったな。

ヒロ ヒデは車椅子を使っているから腕力がすごいの。しかも負けん気が強い。だからつい本気になっちゃうんだよ。

髙橋 そうか。ヒデのその負けん気やくじけない気持ちは両親に似たな。特に母さんに似てる。お前たちの母さんはすごいんだぞ。学生時代に教師に、「お前は腐ったミカンだ」って言われた時、「腐ったミカンも食べられるよ」って返したんだってさ(笑)。発想がすごいよな。でも、今のは笑い話だけど、「気付かないでいること」って非常に重要で、一種のセンスだ。ヒデもさ、「俺のどこがおかしいの?」って思ってるだろ。

ヒデ うん。小学校の頃、「車椅子で登校しているから」と、取材を申し込まれたことがあったけど、それも「なんで?」って思った。「みんなと同じく学校に通っているだけなのにな」って。

ヒロ あれはオレも不思議だった。母さんに、「どうしてヒデだけ取材されるの?」って聞いたもん。「オレも学校行ってるよ。しかも、誰にも押してもらわず、歩いて通ってる。自力で行ってるオレの方がえらくない?」って(笑)

髙橋 そういう、常識を少し超えた、物の見方やとらえ方ができるかどうかがカギなのさ。俺が診てきた子どもたちは、どの子も重症。放っておいたら死んでしまうし、これまでの常識で考えれば自立なんかできず、施設に入って保護されて生きる。でも俺は「もうダメだ」とか、「それはできない」
漫画「義男の空」 収録対談 第11巻
と言わない。「本にはこう書いてある」って言ってくるやつもいるけど、本には「まだ起こっていないこと」は書いてないんだよ。やり方が存在しないことも、挑戦し続けていくうちに方法が見えてくる。重症で生まれてきたかもしれないけど、この先どうなるかは自分たちの努力次第。そう思って接しているから、俺が診ている子どもたちも、子どもたちの親も物事をあきらめない。「あきらめない」ことは立派な能力のひとつだ。考え過ぎずになんでもやってみる人こそが、「不可能」を「可能」にできるんだ。

ヒデ だから、先生はうちの両親に「なんでもやらせてみなさい」って言ってくれたんだね。先生が「ダメ」と言わなかったから、両親も、僕が「やってみたい」と言ったことに「ダメ」って言わなかった。おかげで僕は、やりたいことにどんどんトライできた。大学に進学し、一人暮らしをして、車の免許も取った。車椅子ソフトボールを始めて、大学院に進んだ今もプレイヤーとして活動してる。大会のために渡米もした。もちろんすべてがうまくいったわけじゃないけど、壁にぶつかる経験からも多くを学ぶことができたんだ。だから僕と同じような境遇の子には、最初からあきらめず、何事にも挑戦してほしいって伝えたい。

髙橋 挑戦といえば、ヒデは中学、高校と、野球部のマネージャーをやったんだよな。ヒロが野球をやってた影響を受けたのか?

ヒデ 違うよ。その時の監督に誘われたからだよ(笑)

ヒロ お前さ、そこはオレの影響って言えばいいじゃん!(笑)

髙橋 マネージャーって縁の下の力持ちだろ。そうやって人を支える仕事を進んでするってすごいことだぞ。ヒロもすごいって思わないか?

ヒロ 全然思わない(笑)。本人がやりたくてやっただけだし、むしろオレはずっと「ヒデはプレイヤーになれよ」って言ってたからね。ただ、オレも高校2年の秋、プレイヤーからマネージャーに転身した経験があって。やってみて、正直、大変だと思った。だからそれを中高6年間やり通したことは、ヒデにとっていい経験だったんじゃないかな。

漫画「義男の空」 収録対談 第11巻 髙橋 そうか。ヒロもえらいな。プレイヤーからマネージャーに転身しても、腐らずに自分がすべき仕事をやり遂げた。そして、「お互い様」の精神や、人間の多様性ということに気付いたんだな。2人とも、いつも明るく生きていて、人間として大事なところが揺るがないところは両親そっくりだ。松浦家は、「ドロップアウト」していない。いろいろ特別視があってもそれに負けないし、つらさを表に出さずニコニコしている。そうした生き方が、本人たちも気付かないうちに「不可能」を「可能」にしてきた。
最近は世の中がおかしくなってきて、自分のことしか考えない利己主義な人間が増えた。当人はそれで満足かもしれないけど、周囲にはなんのプラスもない。人間は集団の中で生きていく動物で、周りが幸せになることで自分も幸せになれるんだ。必ずしも自分が主役じゃなくていいんだよ。2番手でも縁の下の力持ちでもいい。大事なのは、みんなで幸せを勝ち取ることだ。2人は、そのことを両親や周囲の人から学んで、引き継いでいる。俺はヒロとヒデのことを誇りに思っているよ。でも、まだまだ頑張ってほしい。ヒデは特に、奇跡を作るチャンスをいっぱい持っているんだから頑張らないとな。生きていること自体がすでに奇跡だけど、それで終わらず、社会に出ていって人のために活躍し、人としてあるべき生き様というのを世の中に見せていってほしい。それが「生き抜く」ってことだ。ヒデが社会に貢献できる人間になったら、両親が喜ぶ。親孝行になるよ。

ヒデ そうだね。僕、一人暮らしを始める時、「ヒデみたいな子が一人で生活するなんて普通じゃない」って言われたんだ。うちの両親は、僕には言わないけれど、きっととても大変な思いをしてきたと思う。でも父も母も、めったに「ダメ」とは言わず、いつも挑戦を応援してくれて、なんでもやらせてくれた。今の僕があるのは両親のおかげだから、これからしっかり恩返ししていかないとね。

髙橋 将来の夢はあるのか?

ヒデ 車椅子を使っている人がもっと生活しやすい環境づくりに、当事者として関わっていけたらと思ってる。

髙橋 そうか。ヒデが社会で活躍するということは、ヒロへの恩返しでもあるんだぞ。ヒロも、いろんな場面でさりげなく、ヒデを支えてきたんだから。

ヒロ でも、先生はそう言うけど、オレはヒデのおかげでたくさんの人に会うことができた。ヒデの兄だったことで得しかしてない。きょうだいって一番楽でいいポジションだよ(笑)。もちろん、今、こういう風に思えるのは両親のおかげだから、オレも両親に恩返ししていかなきゃね。

髙橋 ヒロは、夢や目標はあるのか?

ヒロ まだ学生だから、まずは目指している資格をちゃんと取って、就職することが目標かな。

髙橋 頑張れよ。松浦家の両親の生き方は「見事」の一言だ。お前たちがその生き方を受け継ぎ、実践して生きていってくれたら、俺は2人と抱き合って泣くね。ヒロもヒデも、俺にとっては家族だから。

漫画「義男の空」 収録対談 第11巻
ヒロ オレにとっても先生は家族だよ。先生はオレが入れる「輪」を作ってくれて、いろんな経験をさせてくれた。体を大事にして、おじいちゃんになってもずっとオレの「マブダチ」でいてね。

ヒデ 僕、小さい頃は先生のこと、「いじわるおじさん」と思っていたけど、子ども心になんとなく、先生が敵じゃないことはわかってた。僕がいろんなことに挑戦してこられたのは、先生がいつ
も両親からの質問に丁寧に答えてくれて、「なんでもやらせてみなさい」と後押しをしてくれたから。本人に向かって言うのはちょっと照れるけど、先生は僕の恩人であり、心の許せる友人。感謝してます。

髙橋 ありがとう。うれしいよ。

ヒデ 先生の、これからの夢は何?

髙橋 俺の今の夢は、『義男の空』を通じてたくさんの人と思いをつなげ、子どもたちに「人のために生きるんだ」と伝えていくことだ。最初は、自分が漫画になるなんて恥ずかしかった。だけど今は、この漫画を通して次の世代に、人が生きる上で大切なことを「つなぐ」ことが俺の任務だと考えてる。ヒデもヒロも、「お互い様」とか「持ちつ持たれつ」とか、そういう思いをしっかり持って、次の時代に引き継いでいってくれ。
そして「仲間」で、幸せを勝ち取っていこう。

漫画「義男の空」 収録対談 第11巻

◎この対談は平成29年8月に
 行いました。

漫画「義男の空」 収録対談 第11巻

≪前のページ あらすじ・収録対談のトップへ≫

air dive 有限会社エアーダイブ

トップページ Dybooksとは?事業内容新着情報自費出版
漫画の「義男の空」情報!!WEB漫画「宇佐田さん」WEB漫画「北方英雄伝カムイ」
WEB漫画「どーも 中川です。」 北海道の漫画家サンタクロース島のサンタクロース
ビジネス書「コーチングのとびら」北海道漫画家リストオススメ書籍紹介漫画の基礎知識
漫画を描いてみよう漫画広告のメリットイラストファイルメディア情報
パートナー募集会社概要アクセスマップお問い合わせ




Copyright(c) 2008 air dive. All rights reserved.